養魚場案内

深見養魚場について

わたしたちは昭和42年、弥富市鍋田干拓地で金魚養殖を始めました。最初は17面で始まった金魚屋が、今では「深見ブランド」として世界中の金魚ファンの皆さんに知っていただけるほどにまでなりました。新品種の作出にもこだわり続け、長い時間を掛けて生み出した「桜錦」や「青らんちゅう」は弥富を代表する金魚に仲間入りしました。それは、わたしたちの金魚に対する意地と情熱の証であると同時に、弥富市の金魚に関わる全ての人と人との強い団結の証でもあります。55年の内に、親から子、そして孫へと受け継がれてきた伝統を、これからも弥富の人々と共に守り続けていきます。

残念なことに、弥富市の金魚産業は年々衰退しつつあります。昭和後期にはたくさんあった養魚場も、後継者不足や海外産金魚によりその多くが姿を消していきました。
弥富市の、日本の文化である金魚を守りたい。

より多くの人に、
金魚の美しさを
思い出してほしい。


そのためにも、私たちはこの伝統を守り続けたいのです。

金魚へのこだわり

  • 繁殖

    金魚の繁殖は
    職人と親魚の共同作業

    長年の経験をもとに、親魚をそれぞれの品種毎に厳選します。きれいな水に産卵用の藻を浸し、金魚の受精卵を集めてそこで孵化させます。


    無事孵化しても、もちろんそこで終わりではありません。そうして生まれた稚魚たちを、常に適切な水温・水質で大切に育て続けることが肝心なのです。

    親魚選び 藻と金魚の卵
  • 飼育

    大きくなるたび
    個性が広がる

    立派な肉付き、病気に負けない健康さを目標に、稚魚から大きな魚まで成長段階に応じた適切な餌やりを行います。場面に応じて様々な薬品を使い分けながら、金魚に適切な水質の維持をすることで、水質汚濁による酸欠や病気・寄生虫を防ぎます。

    金魚
  • 選別

    金魚が
    「深見」金魚になる瞬間

    基準(尾の形、体形、色彩、部位の欠損有無など)を設け、良い金魚を選定します。この工程を何度も繰り返し厳しく行うことで、深見金魚らしい立派な個体のみが皆様のもとに届くようになります。

    金魚
    金魚 金魚

    左二つ:良い個体・親魚
    真ん中:まだ小さい・池に戻す
    右:市場へ出荷

  • 池の管理

    大事な金魚を
    失わないために

    残念なことに、立派に育った金魚たちが鳥や害獣に襲われることも少なくありません。商品価値が損なわれるだけでなく、下手をすれば金魚の養殖ができなくなるほどの被害を受けてしまう可能性もあります。防鳥ネットの設置、穴の補修、テグスを張るなどを行い被害が出ないよう工夫を凝らしています。


    また、劣化したコンクリート池ならばひびが入ったり、土の池なら穴が開くこともあります。放っておくと水位がなくなり金魚が死んでしまったり、流出したりしてしまいます。発見次第即補修。いい金魚が作れても設備がよくなければ元も子もありません。

    金魚の池 金魚の池
  • 出荷

    最高の金魚を、
    最高な状態のまま

    金魚を待つ人々のもとへ送り出す大切な作業です。市場に出す基準に合っているか選別を行い、薬剤を混ぜた水と一緒に袋詰めします。道中で酸欠にならないよう最後に酸素を入れることが重要です。

    金魚 金魚
  • 研究開発

    古きを武器に
    常に挑戦し続ける

    効率的な養殖を行うため、日々道具の改良や生産性の向上のための工夫を凝らしています。最近だと、水質改善のためのろ過装置を自力で作り稼働させたこともあります。

    もちろん新品種の開発にも力を入れています。定着させるために膨大な手間と時間をかける必要があったとしても、創業者は桜錦、二代目は青らんちゅう、青秋錦と新品種の開発に注ぐ情熱は惜しみません。

    金魚